マタイの福音書2:1~12 『東方からの礼拝者』
先週のルカの福音書 2 章では、時のローマ皇帝アウグストゥスの住民登録の命令が 下された頃、救い主イエス・キリストが誕生したことが記されていた。今日のマタイの福 音書 2 章では、ヘロデ王の時代に、イエス様が誕生したことを伝えている。ルカの福音 書は異邦人(ユダヤ人以外の外国人)にイエス様のことを伝えようとまとめられた。マタ イの福音書はユダヤ人にイエス様のことを伝えようとまとめられた。 *異邦人を招かれる主 しかし、マタイの福音書を読んだユダヤ人たちは、異邦人がキリストに礼拝をささげ るためにはるばるやって来たことに驚いただろう。旧約聖書の中にある「キリスト預言」 は、直接的にはユダヤ人に語られてきたからである。私たちもユダヤ人でないと言う意 味では異邦人である。これは、主なる神様のご熱心と深いご愛が、すべての民族、す べての人種にも及んでいて、何の差別も区別もないことを表している。キリスト教は欧 米の宗教であって、日本などアジアの宗教ではないと思い込んでいる方がおられるな らば、大きな誤解である。主なる神様は、私たちを含めすべての人々に、全人類に、救 い主来臨の良き知らせを伝えている。 *あらゆる境遇の人々を招かれる主 救い主の誕生が最初に伝えられたのは、当時軽蔑されていた羊飼いたちだった。 そして二番目に招かれたのが、異邦人である東方の博士たちだった。この博士たちは、 当時の社会において、天文学や薬学、夢解釈、星占いなどを通して、人の運命や世 界情勢について予告する未来学者のような人々であった。彼らは、救い主でありユダ ヤ人の王の誕生を、ある星の出現によって確信を持った。今日の私たちにも、全世界 の主なる神様は、異邦人の博士たちの知識や賜物をも用いて、救い主へと至る道を示 して下さった。この博士たちは、羊飼いたちとは異なり、地位もあり、名誉もあり、財力も あり、学歴もある人々であった。さて、私たちは、どのような状況や境遇から招かれて来 たのだろうか? 主は名誉や地位のあるなしに関わらず、どのような境遇の人をも捜し 求め続けておられる。 神様は、私たちに、どんなところから招かれたのか、目を留めるように勧めている。 (イザヤ 51:1)神様の不思議な導きを感謝するようになるためである。そして、今度は、 私たちひとり一人が、救い主イエス・キリストがどのようなお方なのか、関心をもって求 め続ける者でありたい。神様は求める者に豊かな恵みを与えて下さる。