5/12 コリント人への手紙第一16 章1-12 節「門は開かれている」 小池 宏明 師

本日の箇所はパウロがコリントの諸教会に書き送った第一の手紙の最後の章にあ
たる。この章は、パウロの個人的な計画や最後のお勧め、あいさつ文なども記さ
れている。
*義援金の勧め
パウロは、エルサレムにある貧しい教会のために諸教会に義援金を募っていた。
ユダヤ人が主体の教会と異邦人が主体の教会とは、文化的な違いや宗教的な背景
の違いによって、互いに距離を保っていた。しかし、それでは「キリストのから
だが一つである」ことを証しすることにならない。パウロは、具体的にキリスト
の愛を示すために、異邦人の各教会からの支援のための献金を募った。教会同士
の協力関係は、昔から今も行われている愛の実践なのだ。
*宣教の門が開かれている
パウロは、コリントの諸教会を訪問してしばらく滞在したいという希望を述べて
いる。パウロが福音を伝えて救い出された群れであるコリントの諸教会はさまざ
まな課題を抱えていたので、パウロは手紙だけではなくて、直接コリントの兄弟
姉妹に会って指導したいと切望していた。ところが、8 節「しかし、五旬節まで
はエペソに滞在します。」と記している。まだエペソに留まる必要があったよう
である。そのことは16 章9 節で短くまとめられている。「実り多い働きをもたら
す門が私のために広く開かれていますが、反対者も大勢いるからです。」ここは、
直訳すると「有効な働きのための大いなる扉が広く開かれたままになっているか
らであり、反対する者もたくさんいるからです。」となる。この時、エペソで聖霊
なる神様が強い影響力を発揮しており、そのため反対者も多くなっていた。
エペソにおいても、コリントにおいても、異教の地であり、さまざまな問題があ
り、おおくの迫害者がいた。しかし、主イエス・キリストが勝利して下さり、聖
霊なる神様が遣わされているので、何があっても、福音(御ことば)は前進し続
ける。
主イエス様は、今日、私たちをも主の弟子として、この地に派遣してくださって
いる。私たちが福音宣教のために行動を起こせば、さまざまな課題や問題に直面
する。それは当然起きることである。恐れる必要はない。私たちは、すべての人々
に、真の主なる神様を畏れ敬う道を示し、最も幸いな道を証ししていきたい。(詩
篇128 篇1 節)主イエス・キリストにあって、成される労苦に、無駄なことは何
一つない。