9/28 ヨハネの手紙第一4章17-21節「恐れに勝つ愛」小池 宏明 牧師
今朝の箇所で、ヨハネは、手紙の読者に「さばきの日」とその後の永遠との関
わりで、互いに愛し合うように勧めて励ましています。
*さばきの日と神の愛
18 節「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します。恐れには罰が
伴い、恐れる者は、愛において全きものとなっていないのです。」
ヨハネは「さばきの日」における神の愛の完成について強調しています。聖書は
死後の審判を二段階で示しています。第一は、永遠の行き先を決定する審判であ
り、イエスを救い主と信じる者は「いのちの書」に名前が記され、神の国へ入り
ます。第二は、神の国に入った者に対する報いの審判で、忠実に賜物を用いた者
には多くの報いが与えられます。
この審判に恐れを感じるかもしれませんが、ヨハネは「全き愛は恐れを締め出
す」と語っています。神の愛を受けた者は、刑罰への恐れから解放され、さばき
の日を確信と喜びをもって迎えることができるのです。愛と恐れは両立せず、神
の愛に生きる者は、恐れから自由になるのです。
*愛する(赦す)ことは多くの罪を覆う
しかし、愛は単なる感情ではなく、行動を伴うものです。ヨハネと同じ12弟子
のひとりペテロも「愛は多くの罪を覆う」と語り、隣人への愛が神への愛の証で
あると記しています。ヨハネは「神を愛すると言いながら兄弟を憎む者は偽り者
である」と厳しく戒めています。真の信仰は、目に見える隣人への自己犠牲的な
愛の行為として現れます。
*隣り人との平和から始めよう
21 節「神を愛する者は兄弟も愛すべきです。私たちはこの命令を神から受けて
います。」まず身近な人との平和を築くことが必要です。抽象的な「人類愛」では
なく、具体的な隣り人への愛こそが神に喜ばれます。神から与えられた「アガペ
ーの愛」は受け取るだけでなく、用いて仕えることで意味を持つことになります。
「恐れに勝つ愛」をもって、互いに赦し合い、神と隣人を愛しながら、さばき
の日に確信を持って立つ者となるように励んで参りましょう。刑罰への恐れに生
きるのではなく、兄弟愛を実践する者として歩む決心を新たにしましょう。