10/5 ヨハネの手紙第一5章1-5節「世に勝利する信仰」 小池 宏明 牧師

*神の家族として愛し合う
ヨハネの手紙第一では、信仰・従順・愛という三つの要素が繰り返し語ら
れ、神の家族が神の命令に従う信仰をもって互いに愛し合うことが勧められ
ています。イエスをキリストと信じる者は神から生まれた者であり、神を愛
する者はその子どもたちも自然に愛するのです。神への愛は感情ではなく、
神の命令を守ることによって示されます。十戒を例にすると、隣人を殺さず、
姦淫せず、人格と関係を守ることが隣人愛の実践であり、神の命令に従うこ
とが神を愛する証となるのです。
*神の命令は重荷とはならない
5 章3節「神の命令は重荷ではない」とは、どういうことでしょうか。聖
書は親子関係を通してその意味を教えます。箴言13章24節「むちを控える
者は自分の子を憎む者。子を愛する者は努めてこれを懲らしめる。」では、愛
するがゆえに懲らしめることが語られ、厳しい命令も愛に根ざしていると示
されます。愛には犠牲が伴い、命令もその愛の表れであるのです。神の命令
も同様に、深い愛から出ているため、私たちにとって重荷ではなく喜びとな
るのです。
*神の家族として歩むなら世に勝つ
神から生まれた者は「世に勝つ」と語られます。ここでの「世」とは、罪
や悪に支配された価値観を指します。内なる欲望(肉の欲、目の欲、暮らし
向きの自慢)と外からの世俗的圧力の両面があります。信仰によって、神の
家族はこの世に打ち勝つ力を得ており、キリストの十字架による勝利を日々
体験しながら歩むのです。
*ついに勝利宣告を受けるキリスト者
5 章5節では、イエスを神の御子と信じる者が世に勝つ者であると宣言さ
れます。ローマ人への手紙8章では、パウロが「圧倒的な勝利者」として神
の愛から引き離されることはないと高らかに宣言しています。黙示録2章で
は、勝利者には「いのちの木」から食べることが許されるとあり、永遠の命
と神の国への道が開かれています。
このように、神の命令に従い、互いに愛し合う神の家族として歩むことは、
重荷ではなく喜びであり、信仰によって世に勝利する道なのです。