12/15 ピリピ人への手紙2 章6-11 節「低くなられた神の御子」 小池 宏明 牧師

クリスマスは、神様が人間の赤ちゃんとしてこの地上に生まれてこられたこと
をお祝いする時です。神が人となるとは、人間が土の上を這う蟻の世界に入り込
むよりも、もっと難しいことのように思えるかもしれません。しかし、現実に起
きました。今回の聖書箇所は、「キリスト賛歌」と呼ばれ、キリストの謙卑と高挙
を高らかに詠い上げています。
*キリストの謙卑
6-8 節が「キリストの謙卑」と言われる箇所で、天から地上へと向かわれたキ
リストの姿が詠われています。「6 キリストは、神の御姿であられるのに、神と
してのあり方を捨てられないとは考えず、7 ご自分を空しくして、しもべの姿を
とり、人間と同じようになられました。人としての姿をもって現れ、8 自らを低
くして、死にまで、それも十字架の死にまで従われました。」主イエス様は、10
代の少女マリアを通して、まことに弱く、多くの人々に守られ育てられないと生
きることすらできない「赤ちゃん」として来られました。神の御子イエス様は、
人として肉体を取り、人の弱さや疲れ、病などをよく理解して下さる救い主なの
です。しかし、イエス様は神様でなくなったわけではありません。神であられる
お方が、神としての特権を主張せずにしもべとなられたのです。それは、私たち
人間を愛して下さったからです。罪と汚れに染まっている私さえも愛して、憐れ
んで下さったがゆえに、へりくだって、人間と同じようになり、人間を救い出す
ために、御自ら十字架の死にまでも従われたのです。
*キリストの復活と昇天
続いて、9-11 節が「キリストの高挙」と言われる箇所で、地上から天へ向かわ
れたキリストの姿が詠われています。「9 それゆえ神は、この方を高く上げて、
すべての名にまさる名を与えられました。10 それは、イエスの名によって、天
にあるもの、地にあるもの、地の下にあるもののすべてが膝をかがめ、11 すべ
ての舌が「イエス・キリストは主です」と告白して、父なる神に栄光を帰するた
めです」父なる神様は、御心のままにキリストがへりくだられたがゆえに、キリ
ストを高く上げられたのです。これはイエス・キリストの復活と昇天を意味しま
す。イエス様は、復活の 40 日後、天に昇り、父なる神様の右の座に着かれて、
すべての名に勝る名前を頂いたのです。
クリスマスの出来事は、イエス様が、罪と汚れに満ちたこの世界で死につつあ
った私たちを救い出すために来られた愛の奇蹟です。