2/23 マタイの福音書7 章12 節 「人生の黄金律」 小池 宏明 牧師
今日の箇所の 12 節「ですから、人からしてもらいたいことは何でも、あなた
がたも同じように人にしなさい。これが律法と預言者です。」は、黄金律(ゴー
ルデンルール)として広く知られている言葉です。私は両親からよく「人様に迷
惑をかけるな!」と教わりました。禁止の教えです。何もしなければ他人に迷惑
がられることもないでしょう。ところが、イエス様は、積極的にポジティブに行
動を起こすように促しておられるのです。これは、イエス様がこれまで語ってこ
られた山上の説教の総まとめとしての黄金律と言ってもいいでしょう。また、こ
の御ことばは、キリスト教倫理の最高峰であるともされています。
*与える幸い
初期の頃の教会では、イエス様の黄金律を本気で実践しようとしていました。
パウロは、主イエス様が語った言葉を取り上げて教えています。使徒の働き 20
章 35 節「このように労苦して、弱い者を助けなければならないこと、また、主
イエスご自身が『受けるよりも与えるほうが幸いである』と言われたみことばを、
覚えているべきだということを、私はあらゆることを通してあなたがたに示して
きたのです。」」初期の頃の教会は、始まったばかりですから、小さな家の教会で、
決して豊かではなかったことでしょう。しかし、「もっと大きくなって、もっと豊
かに祝されたら、他人に与えることができるようになれるから幸いだ」、とは言っ
ていないのです。初期の小さくて貧しい教会であっても、パウロは、あらゆるこ
とを通して与える幸いを示していたのです。それは、主イエス様の黄金律の心を
正しく伝えるためでありました。
*イエス様のお姿を模範にして
イエス様は、あなたが他人にして欲しいことすべてを、あなたが他人にしてあ
げなさい、とお語りになり、そのように私たちを愛して、与え尽くして、全うさ
れていきました。私たちは、主イエス・キリストのお姿を見て聞いているのです
から、主イエス様を見上げながら、信仰を持って、わずかでも、主イエス様の歩
みを模範にしながら、自らに与えられた人生を全うして生きたいのです。主イエ
ス様が語られたことを「私の人生の黄金律」として受け止め、主イエス様のお姿
を思い巡らしつつ、少しでもイエス様を見ならって、与える生活、
自分がして欲しいと望むことを他人にして差し上げる生き方を、
実践していきたいのです。