12/29 ルカの福音書2 章21-38 節「キリストとの出会い」 小池 宏明 牧師

教会暦では、イエス様の降誕後第一主日を迎えました。来年の1 月6 日の顕現
節までが、クリスマスをお祝いする期間になります。今日の箇所では、非常に敬
虔な老齢な信仰者であるシメオンとアンナが、赤ちゃんのイエス様に出会います。
その時、シメオンが聖霊に導かれて発した預言に注目します。
*シメオンの賛歌
28-32 節 シメオンは幼子を腕に抱き、神をほめたたえて言った。29 「主よ。
今こそあなたは、おことばどおり、しもべを安らかに去らせてくださいます。30 私
の目があなたの御救いを見たからです。31 あなたが万民の前に備えられた救いを。
2:32 異邦人を照らす啓示の光、御民イスラエルの栄光を。」この預言の歌では、
シメオンの長年の祈りが聴かれて、救いを待ち望む時を終えて、救いが成就する
時が始まったことを喜んで感謝しています。シメオンは、まだ赤ちゃんの救い主
イエス・キリストを見ただけなのに、すでに救いの御業が完成したかのように語
っています。しかも、この救いは、イスラエルの民だけのものではありません。
万民のために備えられている救いなのです。私たちも救いの恵みの中に入れられ
た者として感謝をささげましょう。
*シメオンが示したキリストのしるし
さらに、シメオンは、未来のことをイエス様の両親に、特に母マリアに預言し
ています。33-35 節 父と母は、幼子について語られる様々なことに驚いた。34 シ
メオンは両親を祝福し、母マリアに言った。「ご覧なさい。この子は、イスラエル
の多くの人が倒れたり立ち上がったりするために定められ、また、人々の反対に
あうしるしとして定められています。35 あなた自身の心さえも、剣が刺し貫くこ
とになります。それは多くの人の心のうちの思いが、あらわになるためです。」シ
メオンが預言したキリストのしるしは、多くの人々が、倒れたり、立ち上がった
りするためのしるしであり、人々の反対にあうしるしです。
福音は、人の罪を指摘します。創造主なる神様を知らずに、仰ぎ見ることも無
しに、好き勝手に生きていることが罪なのです。それが諸悪の根源、不安や恐れ、
不幸の根本的な原因なのです。この事実を知ったら、一度はだれでも倒れ込むく
らい、つまずくくらい、打ちのめされるのです。しかし、それは救い主、イエス・
キリストに出会って、救い出されて、すべての不安や恐れから解放されて、再び
立ち上がるためです。主イエス様は、どんなにひどくつまずいた人でも、どんな
にひどい倒れ方をした人でも、立ち上がらせることができるお方なのです。