7/21 マタイの福音書5 章 9 節「平和をつくる者の幸い」小池 宏明 牧師


今朝取り上げる9 節は、八福の教えの中でもとりわけ有名な箇所と言えるかも
しれません。毎年、夏になると、1945 年に日本の敗戦で終結した世界大戦のこと
が思い出されます。戦後 79 年になっています。「平和」とは「戦争がない状態」
と考えることもできます。一方で、聖書が記された当時のユダヤ人にとって「平
和」と言えば、「人間に最高の幸福をもたらすすべてのこと」と理解されていたよ
うです。その中には、内面的な平安に止まることなく、あらゆる束縛から解放さ
れること、満ち足りること、豊かに繁栄することなども含まれていました。
戦争の原因は罪
人類の歴史は、戦争の歴史と言われています。多くの戦争や争いが世界中で起
こって来ました。今現在も進行形で戦争が起きています。戦争が起こっていれば、
人々の平安も繁栄も破壊されてしまいます。戦争の原因は、人間の罪です。人の
罪が平和を乱し、平和を壊します。罪の心から発せられる言葉が、他人を傷つけ
て殺し、他人の平安を奪うのです。
キリストこそ平和
しかし、そんな平和をつくることが難しい人間に対して、主イエス様は、あえ
て、平和をつくる者になるようにと語られるのです。「平和をつくる者は幸いで
す。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。」この人類の歴史の中で、平
和をつくる者は、主イエス・キリスト御自身です。主イエス・キリストの十字架
の死こそ、平和の土台です。平和(平安)を破壊する人間の罪を解決するために、
主イエス様は、十字架の道を歩まれ、人々に救いと解放の恵みを与えられたので
す。(エペソ人への手紙2 章13-16 節)
神の子イエス・キリストを仰ぎ見ている私たち教会も率先して平和をつくる者とな
るのです。平和をつくる者たちはキリストのような神の子と呼ばれるほどに名誉な
こと、神様からの豊かな祝福を頂くことができるのです。身近なことから、とりな
し祈る者でありたいのです。兄弟姉妹の間で、家族や夫婦の間で、また職場や学校
の中で仲違いしている人がいるならば、和解のために行動を起こそうではありませ
んか。また、本当の平和は、人々が主イエス様の御前にひれ伏して、救いの恵みを
頂くことですから、イエス様を伝えることこそ、遠回りのようであって、実は真の
平和をつくる大切な働きなのです。福音を証しするために祈り、行動を起こしてい
きましょう。