8/25 マタイの福音書5 章 21-26 節 「恨みを捨てて和解へ」 小池 宏明 牧師

本日の箇所でイエス様は「律法学者やパリサイ人にまさる義(正しさ)」につい
て具体的に教えています。5 章21-22 節「昔の人々に対して、『殺してはならない。
人を殺す者はさばきを受けなければならない』と言われていたのを、あなたがた
は聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。兄弟に対して怒る者
は、だれでもさばきを受けなければなりません。
・・・」
*密かな殺人者
イエス様は、「昔の人々」という言葉を使っておられますが、それは、パリサイ
人たちが受け継いできた口伝えの掟のようなものを意識しているからです。もち
ろん、「殺してはならない」というのは、十戒の中の一つにあります。そして人を
殺したら、その殺人者は裁判にかけられて、殺されなければならないのも、それ
自体は間違いではありません。けれどもイエス様は、主なる神が「殺してはなら
ない」と命じられた時に、単なる外側の行ないを戒めたものではない、と教えて
おられます。主なる神様がご覧になっている心の内面を無視して、外面的に殺人
をしなければ、それで良い、と教えている律法ではない、ということです。当時
の律法学者とパリサイ人たちは、人が怒ったり、ねたんだり、争ったり、するこ
とは当たり前のこととして問題にしなかったのです。しかし、イエス様は、人殺
しにまで発展する原因が心にあることが、殺人と同じ罪だと指摘されたのです。
*キリストのもとでの再創造
私たちは、心の内面を問われれば、これまで一体何人殺して来たのか、と振り
返らない訳にはいかないでしょう。 心や言葉で殺人を犯すのです。怒ったり、
憎んだりして「あんな人いなければいいのに!」、「この人には消えてほしい!」
と思ったことはないでしょうか。私たちは実は、密かな殺人者なのです。恨みや
妬み、憤り、怒りなど、殺人を引き起こすような原因が住んでいることに気付い
たら、救い主、イエス・キリストに立ち返る時です。主イエス様の御許(みもと)
で、自分の心の中をすべて打ち明けて、祈り求めることをお勧めいたします。主
イエス様の御許に立ち帰るチャンスが来ています。主イエス様はご自分のもとに、
解決策があるから、厳しく私たちの内面をえぐり出して帰って来るように招いて
おられるのです。
イエス様こそ、和解の主、敵をも愛して、私の罪の身代わりに十字架の道を選
び取った救い主なのです。