9/20 ローマ人への手紙5章12-21節「罪が入り、恵みが満ちる」 小池 宏明 牧師

パウロは、罪の悲惨を明らかにした後、信仰によって義とされる「信仰義認」の教
えを結論へ導き、人類始祖アダムと救い主イエス・キリストを対比しています。
*不幸の原因とその解決
神様のかたちに造られ、神様とのいのちの交わりに生きていたアダムとエバは、誘
惑に屈して神様の命令を破ってしまいました。アダムとエバの不信仰によって罪と死
が世界に入り、すべての人に広がりました。死には肉体の死だけでなく、神との交わ
りを失う霊的な死と永遠の苦悩に陥る第二の死があります。アダムは全人類の代表で
あり、私たちは彼とつながっているために堕落の影響を受けています。罪と死に支配
された人間は、自力で救われることはありませんが、父なる神様は憐れみのゆえに御
子イエス・キリストを遣わし、御子キリストは十字架の死にまで従われました。私た
ちは三位一体の神が成し遂げられた救いを信じて受け取り、罪なしと認められ、永遠
のいのちを頂くのです。
*アダムとキリストの違い
一人のアダムによって罪と死が入り、一人のキリストによって恵みの賜物といのち
が多くの人に満ちあふれるのです。両者は一人の影響が広がる点では共通しています
が、その内容と力は同列ではありません。アダムの違反は人々を有罪にし、死の支配
を招いたのに対し、キリストの十字架は多くの違反を赦し、信じる者を義(無罪)とし
てくださったのです。死は人が罪によって招いたものであり、救いといのちは神様か
ら無償で与えられる恵みです。それゆえ、キリストの恵みと義の賜物を豊かに受けて
いる者は、死の支配から解放されキリストのいのちで生きるのです。
*キリストとの絆を深めて恵みが満ちあふれる人生へ
アダムの不従順が多くの人々を罪と死に追いやり、キリストの従順が信じる者を罪
と死から救い出しいのちを与えたのです。律法は罪を生み出したのではなく、すでに
存在する罪を明らかにし、人々が自らの罪深さを知るために与えられました。こうし
て、「罪の増し加わるところに、恵みも満ちあふれ」(5:20)、「 主イエス・キリストに
より永遠のいのちに導く」(5:21)のです。自分の罪を深く知るほど、赦しの恵みの大
きさも分かります。教会は、堕落したアダムとの絆で生き続けるのではなく、復活の
キリストとの絆を深め、死ではなくいのちをもたらす共同体なのです。キリストの愛、
いのち、恵みを、教会と隣り人へ、さらに世界へと表していきましょう。